つむぎ歯科クリニックTSUMUGI DENTAL CLINIC
オーラルフレイル

ORAL FRAILTY BASICS

オーラルフレイルとは?
50代から始まる口の衰え。

「最近、滑舌が悪い」「硬いものが食べにくい」——その小さな変化は、フレイル(虚弱)の入口かもしれません。早期発見で、健康寿命は守れます。

フレイル概念と口腔

フレイルの入口は、
お口にある。

「フレイル」とは、加齢に伴って心身の活力(筋力・認知機能・社会とのつながり)が低下し、健康な状態と要介護の中間にある状態を指す医学用語です。日本老年医学会が2014年に提唱しました。

フレイルの予防が「健康寿命延伸」の最大のテーマとなる現在、その入口として注目されているのが——「オーラルフレイル」、口の機能の衰えです。

滑舌の低下、食べこぼし、わずかなむせ、噛めない食品の増加。これら「些細な口の衰え」は、放置すれば噛む力・飲み込む力の本格的な低下、栄養不足、サルコペニア(筋肉減少)、そして要介護へと連鎖していきます。

COLUMN INDEX

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オーラルフレイルの
正確な定義。

日本歯科医師会の定義によると、オーラルフレイルとは「老化に伴う様々な口腔の状態(歯数・口腔衛生・口腔機能等)の変化に、口腔の健康への意識の低下や心身の予備能力低下も重なり、口腔機能障害へ陥り、しいては心身の機能低下まで繋がる一連の現象および過程」とされています。

ポイントは、「一連の現象および過程」という表現。一つの疾患ではなく、ゆっくりと進行する状態の連続です。だからこそ、初期の段階での「気づき」と「介入」が、その後の経過を大きく左右します。

50代から始まる方も少なくありません。「まだ若いから」と油断せず、定期的に歯科を受診し、自分の口の機能を客観的に把握しておくことが大切です。

「些細な口の衰え」が、
全身の衰えに連鎖する。
——その鎖を、最初の輪で断ち切る。
  1. STAGE 01 — PRE

    口の健康への意識低下

    「歯医者は痛くなってから」「歯磨きは適当でいい」——口腔健康への関心が薄れる時期。歯周病が静かに進行します。50代から少しずつ始まる方もいます。

  2. STAGE 02 — EARLY

    口のささいなトラブル

    滑舌の低下、わずかなむせ、食べこぼし、口の乾燥。本人は「年だから」と片付けがちですが、実は機能低下のサイン。介入の最適タイミングです。

  3. STAGE 03 — LATE

    口腔機能低下症

    歯科の検査で診断がつく段階。咬合力・舌圧・咀嚼能力などの7項目のうち3項目以上が基準値を下回ると診断されます。保険適用のリハビリ対象となります。

  4. STAGE 04 — DISABILITY

    摂食嚥下障害・要介護

    「食べる・飲み込む」の本格的な障害が発生。誤嚥性肺炎、低栄養、サルコペニアが進行し、要介護に至ります。VE検査・嚥下リハビリが必要な段階です。

SELF CHECK

セルフチェック、
あなたの口は大丈夫?

東京大学高齢社会総合研究機構が提唱する OF-8(オーラルフレイル8項目)です。当てはまる項目をチェックしてみてください。3項目以上でオーラルフレイルの可能性、4項目以上で受診をおすすめします。

  1. 01 — 半年前と比べて、硬いものが食べにくい

    たくあん・するめ・フランスパンなど。噛む力の低下サインです。

  2. 02 — お茶や汁物でむせることがある

    嚥下反射の低下、不顕性誤嚥のサインの可能性があります。

  3. 03 — 義歯(入れ歯)を入れている

    歯の喪失は咀嚼能力の指標。義歯の適合状態のチェックも重要です。

  4. 04 — 口の渇きが気になる

    唾液分泌の低下サイン。むし歯・口臭・義歯不適合の原因になります。

  5. 05 — 外出の頻度が減った

    社会的フレイルのサイン。口腔機能と社会参加は密接に関連します。

  6. 06 — さきいかぐらいの硬さの食品が噛める

    「いいえ」の場合、咀嚼能力低下のサインです。

  7. 07 — 1日2回以上、歯を磨く

    「いいえ」の場合、口腔衛生意識の低下サイン。歯周病リスクが高まります。

  8. 08 — 1年に1回以上、歯科医院を受診する

    「いいえ」の場合、定期的な歯科管理が不足しています。

※ OF-8(東京大学高齢社会総合研究機構、飯島勝矢らによる)を簡略化して掲載しています。

  1. 01 — あいうべ体操

    「あー」「いー」「うー」「べー」と大きく口を動かす体操。口輪筋と舌の筋力を鍛えます。1日30セット。

  2. 02 — パタカラ体操

    「パ」「タ」「カ」「ラ」をそれぞれ8回ずつ素早く発音。嚥下に関わる筋肉を鍛えます。食前のウォーミングアップにも。

  3. 03 — 唾液腺マッサージ

    耳下腺・顎下腺・舌下腺を優しくマッサージ。唾液分泌を促し、口の乾燥を予防します。食事前に行うと効果的。

  4. 04 — よく噛んで食べる

    一口30回を目標に。咀嚼筋と顎の動きが鍛えられ、唾液分泌も促進されます。やわらかい食事ばかりにせず、適度な硬さも取り入れて。

  5. 05 — 人と会話する・歌う

    会話・歌唱は口腔機能の総合的なリハビリ。社会的フレイル予防にも繋がります。家族と毎日のおしゃべりを大切に。

FAQ

よくあるご質問

  1. Q. オーラルフレイルは、何歳から気をつけるべき?

    50代から少しずつ始まる方もいます。「年齢的にまだ早い」と思わず、定期検診の際に口腔機能評価を受けておくと安心です。

  2. Q. オーラルフレイルは元に戻りますか?

    早期であれば、トレーニングと適切な歯科治療で改善します。「口腔機能低下症」と診断される段階でも、訓練・義歯調整・栄養指導で回復が期待できます。

  3. Q. 口腔機能の検査は保険適用ですか?

    「口腔機能低下症」の検査・管理は、65歳以上の方を対象に保険適用となります。当院でも7項目の客観的検査を実施しています。

  4. Q. 入れ歯の不適合はオーラルフレイルと関係ありますか?

    大いに関係します。合わない入れ歯では噛む力が発揮できず、咀嚼能力が低下します。定期的な義歯調整・新製がフレイル予防に直結します。

  5. Q. 管理栄養士の指導も受けられますか?

    はい。当院は歯科医院では珍しく管理栄養士を常勤配置しています。咀嚼能力に合わせた食事形態、低栄養予防の食事指導をご提供できます。

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