VISIT vs CLINIC
「もう通えない」「通えるけれど不安」——ご家族の状態は、一つの基準では決められません。訪問歯科と通院、それぞれの特徴を整理し、最適な選択を一緒に考えます。
迷ったときの判断軸
ご高齢のご家族が「歯医者に行きたがらない」「行く準備で疲れてしまう」——そんなお声を、当院ではよくお聞きします。それは決して「わがまま」ではなく、通院という行為そのものが、心身に大きな負担になっているサインかもしれません。
訪問歯科は、要介護認定や寝たきりの方だけの選択肢ではありません。通院が「物理的にできる」状態でも、付き添いの方や本人の体力を考えれば、訪問のほうが負担が少ないケースは多くあります。
このコラムでは、訪問歯科と通院、それぞれが向いている方の特徴、できる治療の範囲、費用の違いを整理し、ご家族にとって最適な選択を判断するためのガイドをお届けします。
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訪問歯科診療は、健康保険・介護保険の制度として認められた正式な医療サービスです。「通院が困難な方」のご自宅・施設にお伺いし、外来とほぼ同等の治療を提供します。
対象は「ご自宅・施設から半径16km以内」「通院が困難な方」。要介護認定の有無は問いません。寝たきりの方、認知症のある方、足腰が弱った方、酸素療法中の方など、通院が現実的に難しい方であれば対象になります。
「通院しているけれど、毎回ぐったり疲れてしまう」「介護タクシーを使わないと連れて行けない」——こうした状況であれば、訪問歯科をご検討いただく価値が十分にあります。担当ケアマネジャーや当院にご相談ください。
「通えるかどうか」より、
「通うことが負担か」
——判断軸を変えてみると、選択肢が広がります。
01 — MOBILITY
車椅子・杖が必要、歩行に介助がいる、通院のたびに介護タクシーが必要——こうした状況は、訪問歯科への切り替えで負担を大幅に軽減できます。介助者の労力も減ります。
02 — COGNITION
慣れない場所で混乱・不安が強く出る方は、ご自宅という安心できる環境での診療のほうが、治療を受け入れやすい傾向があります。介護施設での集団訪問にも対応可能。
03 — MEDICAL
在宅酸素、胃ろう、点滴管理など、医療機器とともに生活されている方は、外出そのものがリスクになります。訪問歯科は内科の往診医とも連携しながら対応します。
04 — CAREGIVER
ご家族の付き添いが毎回半日仕事になる、仕事との両立が難しい——こうしたケースでは、訪問歯科への切り替えが介護を続けるための現実的な選択肢になります。
SCOPE
訪問歯科では、ポータブル機器(携帯型タービン・X線・吸引)を用い、外来で行う治療の多くをご自宅で実施できます。一方、CT撮影・高度な外科処置など、設備を要する一部の処置は通院が必要になります。
| 処置内容 | 訪問 | 通院 |
|---|---|---|
| 虫歯治療(小〜中規模) | ◎ | ◎ |
| 歯石除去・歯周病ケア | ◎ | ◎ |
| 入れ歯の調整・新製作 | ◎ | ◎ |
| 抜歯(単純抜歯) | ○ | ◎ |
| 口腔ケア・嚥下評価 | ◎ | ○ |
| CT・大規模な根管治療 | △ | ◎ |
| インプラント・矯正治療 | × | ◎ |
※ ◎ 標準対応/○ 対応可(条件あり)/△ 状況により/× 対応不可
※ 訪問で難しい処置は、必要に応じて当院外来との連携でご対応します。
COST
訪問歯科は健康保険・介護保険の適用となるため、自己負担割合(1〜3割)はそのままです。「訪問だから高くなる」ということはありません。交通費・出張費の請求もございません。
1割負担の方で1回あたり 1,500〜3,000円程度(処置内容により変動)。月2回訪問で月額 3,000〜6,000円が目安です。
口腔ケア指導は介護保険の枠組み(居宅療養管理指導)に組み込まれます。担当ケアマネジャーと連携して、計画を作成します。
当院では交通費・出張費を一切いただきません。半径16km以内であれば、加算なしでお伺いします。
訪問ダイヤル(049-298-3203)にお電話ください。現状のお口の状態、ご希望、生活環境をお伺いします。
ご都合に合わせて初回訪問日を設定。ご家族の同席が可能な日時を優先します。
歯科医師と歯科衛生士がご自宅にお伺いし、お口の検査・問診・治療計画のご説明を行います。所要60〜90分程度。
月2回程度の定期訪問で、治療とメンテナンスを継続します。状態の変化に応じて頻度を調整します。
FAQ
いいえ。要介護認定の有無は問いません。通院が困難な状況であれば対象となります。判断に迷う場合は、お電話でご相談ください。
はい、可能です。普段は訪問でケアし、CT撮影が必要な精密診断の時だけ通院いただく、といった併用も柔軟に対応します。
いいえ、状態に応じて柔軟に変更できます。リハビリで通院可能な状態に回復された方には、外来診療への移行もご案内します。
はい。ご本人の同意があれば、ご家族不在でも訪問可能です。施設にお住まいの場合は施設職員との連携で対応します。
健康保険・介護保険の適用なので、自己負担割合は通院と同じです。当院では交通費・出張費もいただきません。月額の自己負担は3,000〜6,000円程度(1割の場合)が目安です。
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訪問と通院、どちらが向くか迷われたら、お電話でご相談ください。ご状況をお伺いし、最適な選択肢をご提案します。