VISIT DENTAL BASICS
「ご自宅で歯科治療ができるの?」——できること・難しいこと・連携が必要な場面を、現場の言葉で整理しました。
INTRODUCTION
訪問歯科診療は、通院が困難な方のご自宅・施設・病院のベッドサイドに、歯科医師と歯科衛生士が伺って行う診療です。「お口の状態は気になるけれど、通うのが難しい」——そういう方の選択肢になります。
一方で、訪問先では使える機材や処置の幅に外来との違いがあります。「何ができて、何が難しいか」を事前に整理しておくと、現場のご相談がスムーズになります。
監修
歯科医師 桐生 賢太
訪問歯科診療・高齢者歯科・口腔ケア・食支援に関する情報を監修
01 — DENTURE
訪問先で最も多いご相談です。義歯の縁の調整、金具の修理、合わなくなった義歯の作り替えまで、印象採得から訪問先で対応できます。義歯の状態が改善することで、食事量や会話の改善につながる方もいます。
02 — CAVITY
ポータブルの治療機器を使い、訪問先でむし歯治療や応急処置(充填、根の処置の一部)が可能です。痛みを取る処置を優先しつつ、本人の体力や全身状態に合わせた治療計画を立てます。
03 — PERIODONTAL
歯石除去、歯周ポケット内のケア、歯肉のコンディション管理など。歯周病は全身疾患(糖尿病・心血管疾患・誤嚥性肺炎)との関連も指摘されており、継続的な管理が重要な領域です。
04 — PROFESSIONAL ORAL CARE
歯科衛生士による専門的口腔ケアは、日常清掃では届きにくい部位の清掃や、固着汚れ・舌苔の除去を行います。介護スタッフ・ご家族への日常ケア指導も重要な役割の一つです。
05 — ORAL FUNCTION
咀嚼力、舌・唇の運動、嚥下の評価。必要に応じて口腔機能訓練のメニューを提案し、医師・言語聴覚士・管理栄養士などとの多職種連携にもつなげます。
LIMITATIONS
訪問先では機材や安全面の理由から、外来と同じ対応が難しい場面もあります。「無理に訪問で済ませる」のではなく、必要に応じて連携医療機関と連携します。
難抜歯、骨造成を伴う処置、インプラント手術等は、訪問では対応が難しい場合があります。全身状態と相談しながら、必要時は連携先と調整します。
ポータブルレントゲンは持参可能ですが、CT撮影など詳細な検査は外来や連携先での実施になります。
広範囲のブリッジや、長時間の処置を要するケースは、本人の体調と相談しながら段階的に進めます。
心疾患、抗血栓薬服用、出血リスクの高い方の処置は、主治医との連携のうえ、安全に行える内容を見極めます。
WHO & HOW
訪問歯科診療は、通院困難な方が対象です。具体的にはご自宅、施設、病院療養の方など。要介護認定の有無は問いません。
ご本人・ご家族・ケアマネジャー・看護師など、どなたからでもご相談いただけます。
対応エリア、ご本人の状況、訪問可能な時間帯を確認したうえで日程を調整します。
お口の状態を診察し、治療計画と費用感をご説明します。即決の必要はありません。
治療期は週1回程度、安定期は月1〜2回程度を目安に、状況に応じて訪問頻度を調整します。
本記事は、口腔ケア・訪問歯科に関する一般的な情報提供を目的としています。個別の診断・治療方針については、歯科医師または主治医にご相談ください。
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