FOR HOME NURSES
訪問看護師の視点で気づける口腔トラブルを整理。発熱・誤嚥・出血・全身疾患との関わりまで、連携の判断材料としてご活用ください。
INTRODUCTION
訪問看護師は、お口の中を覗き込み、全身を観察し、薬剤を確認する立場にあります。「口」と「全身」をつなぐ視点を持つ職種だからこそ、気づける口腔トラブルがあります。
本記事では、訪問看護師の方が「歯科にひとこと相談しておこう」と判断できるサインを整理しました。歯科側との連携のきっかけ、申し送りの素材としてもお使いいただけます。
監修
歯科医師 桐生 賢太
訪問歯科診療・高齢者歯科・口腔ケア・食支援に関する情報を監修
01 — FEVER
原因のはっきりしない微熱・発熱を繰り返すケースでは、口腔内の感染源(重度のむし歯・歯周病・膿瘍)が背景にあることがあります。口腔観察と歯科への相談が選択肢になります。誤嚥性肺炎の前駆症状の可能性も視野に入る場面です。
02 — ASPIRATION
食事中のむせ、食後の湿った声、痰がらみが続く——嚥下機能低下と口腔内環境の悪化が併存しているケースが少なくありません。歯科で口腔機能評価と専門的口腔ケアを行うことで、誤嚥性肺炎リスクへのアプローチになります。
03 — BLEEDING
歯肉からの出血、口腔内の腫脹、潰瘍、膿——抗血栓薬服用中の方では特に注意が必要です。歯科での評価のうえ、必要時は主治医と相談しながら処置を進める場面です。
04 — MEDICATION
骨粗鬆症治療薬(BP製剤・デノスマブ)服用中の方は、抜歯前後に注意が必要です。多剤併用での口腔乾燥、抗血栓薬での出血リスク、ステロイドでの粘膜の脆弱性——服薬情報を含めて歯科と共有することが、安全な処置の前提になります。
05 — SYSTEMIC
糖尿病コントロール不良、心疾患、悪性腫瘍治療中、化学療法後——全身状態と口腔状態は相互に影響します。「口の中の状態を整える」ことが全身管理の一部になりうる場面で、歯科との連携が活きます。
SHARE WITH DENTAL
看護師ならではの観察情報は、歯科側にとって貴重な判断材料になります。次のような情報があると、初回訪問が効率的になります。
血圧・体温の経過、最近の入院歴、ADL、認知機能、栄養状態。歯科処置の可否や強度の判断に直結する情報です。
特に抗血栓薬、骨粗鬆症治療薬、ステロイド、降圧薬、糖尿病治療薬。お薬手帳のコピーがあれば最良です。
「歯肉から出血」「義歯入れたがらない」「舌の白さ」など、観察した具体的な所見と気づいた時期。
現在の食形態、ムセの頻度、食事介助の有無、栄養補助食品の利用。嚥下機能の評価につながる情報です。
MULTI-DISCIPLINARY
本記事は、口腔ケア・訪問歯科に関する一般的な情報提供を目的としています。個別の診断・治療方針については、歯科医師または主治医にご相談ください。
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