VE — VIDEOENDOSCOPY
細いカメラで鼻からのどを観察し、実際に食べ物・飲み物を飲み込む様子を画像で確認します。むせ・誤嚥のリスクを「見える化」し、安全な食形態とリハ計画を立てます。
VE検査とは
VE(Videoendoscopy of Swallowing)検査は、直径3mm程度の細いカメラ(鼻咽喉ファイバースコープ)を鼻から挿入し、のどの奥の様子と、食べ物・飲み物が通過する過程を実際に観察する検査です。被ばくがなく、ベッドサイドや訪問先でも実施できる、嚥下評価のスタンダード検査です。
「のどに食べ物が残るか」「気管に入っていないか(誤嚥)」「どの食形態なら安全か」を客観的に判断でき、安全な食事・リハビリの方針を、ご家族・主治医・施設職員と共有できます。
01 — INTERVIEW
既往歴・服薬・現在の食事内容・むせの状況を伺い、反復唾液嚥下テスト(RSST)など必要なスクリーニングを実施。検査の目的を共有します。
02 — ENDOSCOPY
細いカメラを鼻から挿入し、咽頭・喉頭の安静時の状態を観察。粘膜の腫れ・痰の貯留・声帯の動きなども確認します。挿入時の負担を最小限にするよう配慮しています。
03 — SWALLOWING
着色した水・とろみ水・ゼリー・きざみ食・常食など、段階的に食形態を変えながら飲み込みを観察。咽頭残留・喉頭侵入・誤嚥の有無を評価し、安全な食形態を判定します。
04 — REPORT
画像を見ていただきながら、現在の嚥下状態・安全な食形態・推奨される姿勢・リハ計画をご説明。主治医・ケアマネジャー・施設職員にも報告書を共有します。
COVERAGE
VE検査は保険適用です。「食事中によくむせる」「肺炎を繰り返している」「脳梗塞後で食べる力が落ちた」「神経難病で飲み込みが心配」「経管栄養から経口摂取に戻りたい」——いずれかに当てはまる方には、一度の検査で多くの情報が得られます。訪問診療でのVE検査にも対応しております。
※ 検査前後の絶食は不要です。ご不安な点は、訪問専用ダイヤルまでお気軽にお問い合わせください。
VE検査(Videoendoscopic Examination of Swallowing:嚥下内視鏡検査)は、極細の内視鏡を鼻から挿入し、咽頭(喉の奥)の様子を直接観察する検査です。実際に食べ物・飲み物を飲み込んでいただきながら、嚥下のプロセスをリアルタイムで映像として捉えられます。
この検査で見える情報は、ほかのスクリーニング検査では得られないものばかりです。食物が気管に入る瞬間(誤嚥)、飲み込んだ後に喉に残る食物(咽頭残留)、声帯の動き、食塊の通る経路——いずれも嚥下リハの方針決定と、安全な食形態の選択に直結する情報です。
とくに重要なのが、「不顕性誤嚥」(むせない誤嚥)の発見です。咳反射が弱っている方は、誤嚥が起きてもむせないため、外から見ても気づけません。VE検査では映像で「実際に気管に流れ込んだ」ことを確認できるため、肺炎リスクの高い方を早期に特定できます。
「見えなかった誤嚥」を、
見える化する。
——映像という客観的証拠が、リハとケアの方針を変えます。
STEP 01 — PREPARATION
食事の状況・むせる頻度・既往歴・服薬内容をお伺いします。検査の目的と流れを説明し、ご本人・ご家族の同意を確認。検査前の絶食は不要です。鼻からの局所麻酔を希望される方には準備します。
STEP 02 — INSERTION
直径3〜4mmの極細スコープを鼻から挿入し、喉の奥(咽頭)まで到達させます。痛みはほぼなく、必要に応じて表面麻酔で違和感を抑えます。ご本人の楽な姿勢で受けていただけます。
STEP 03 — OBSERVATION
咽頭・喉頭の解剖、唾液の貯留、声帯の動きを観察。続いて、着色した水・ゼリー・とろみ水・お粥などを実際に飲み込んでいただき、嚥下の各段階を映像で記録します。
STEP 04 — ANALYSIS
録画した映像をその場でゆっくり再生・分析。誤嚥の有無、残留の位置、姿勢調整による改善効果などを定量的に評価します。「むせない誤嚥」も映像で明確に確認できます。
STEP 05 — REPORT
ご本人・ご家族に映像をお見せしながら結果をご説明。安全に食べられる食形態、姿勢、リハビリの方針を一緒に決めます。主治医・ケアマネジャー・施設へも書面で報告します。
COMPARISON
嚥下機能の評価には複数の方法があり、それぞれ得意・不得意があります。VE検査の位置づけを、ほかの代表的な評価方法と比較してご覧ください。
| 評価方法 | 特徴 | 実施場所 (保険適用) |
|---|---|---|
| VE(嚥下内視鏡) 咽頭を直接観察 | 食事中の誤嚥・残留を映像で確認 姿勢・食形態の即時評価 | 外来・訪問 ○ |
| VF(嚥下造影) バリウムで透視 | 食塊の動きを全体的に把握 口腔〜食道まで観察可能 | 病院のみ ○ |
| RSST(反復唾液嚥下テスト) 30秒で唾液嚥下回数 | 機器不要・簡便 嚥下のスクリーニング | どこでも — |
| EAT-10(質問票) 10項目の自己評価 | 自覚症状の構造化 簡易リスク把握 | 自宅でも可 — |
※ VEは「咽頭の直接観察」、VFは「全体の動きの把握」と役割が異なります。両方を組み合わせるのが理想ですが、VEは持ち運び可能で訪問診療に対応できる点が大きな利点です。
※ RSST・EAT-10はスクリーニングの位置づけ。リスクが高いと判断された方に、VE・VFで精査するのが一般的な流れです。
「とろみが必要か」「きざみで安全か」「ペーストまで下げるか」を、映像という客観的根拠で判断。安全と「食べる楽しみ」のバランスを最適化します。
「あごを引いて」「横を向いて」「複数回飲み込んで」——その方に効く姿勢・テクニックを、検査中に映像で確認しながら決定。即実用可能です。
「どの筋肉が弱いか」「どの動作が苦手か」が明確になるため、間接訓練・直接訓練のメニュー設計が具体的になります。効果判定にも再検査で活用できます。
主治医・ケアマネ・施設職員・ご家族——関わる方全員が映像を見れば、状態認識が一致します。「なんとなく不安」から「具体的にここが課題」へ。連携の質が変わります。
3〜6ヶ月後の再検査で、機能の改善・悪化を映像で比較。リハ効果の判定、食形態を上げる/下げるの判断材料として、継続的に活用できます。
INSURANCE
VE検査は健康保険適用です。摂食機能療法の一環として行われる場合、3割負担の方で1回あたり約2,000〜3,000円が目安。訪問診療で実施する場合は、訪問歯科診療料が別途加算されます。検査前後の絶食は不要、ご自宅・施設でも実施可能です。
食事中によくむせる方/肺炎を繰り返している方/脳梗塞・神経難病後の方/経管栄養から経口摂取に戻りたい方/介護施設で誤嚥リスクが懸念される方など。
鼻づまりがひどい方/極度に協力が得られない認知症の方/呼吸状態が不安定な方/鼻出血傾向のある方など。実施可否を診察時に判断します。
保険適用 約2,000〜3,000円(3割負担)/訪問の場合は訪問歯科診療料が加算(数千円程度)/ご相談で正確な費用をお伝えできます。
外来診療室/ご自宅(訪問)/介護施設(訪問)。携帯型VE装置を使うことで、通院困難な方にも実施できます。
※ 検査前後の絶食は不要です。お薬は通常どおり服用いただいて構いません。
※ ケアマネジャー様・主治医様からのご紹介、施設からのご相談も承ります。訪問専用ダイヤルへお気軽にお問い合わせください。
EVIDENCE
VE検査は嚥下機能を客観的に評価する代表的な手法とされています。検出感度や保険上の位置づけに関する基本データをご紹介します。
90%
VE検査の嚥下障害検出感度
VE検査は不顕性誤嚥を含む嚥下障害を高い感度で検出できるとされ、客観的評価の標準的手法と報告されています。
出典: 日本嚥下医学会 関連データ
5-10分
検査所要時間の目安
標準的なVE検査は、観察・試験食評価を含めて短時間で実施可能な検査とされています。
出典: 標準的なVE検査プロトコル
4段階
嚥下機能の評価指標
咽頭残留・喉頭流入・誤嚥などの観点から、嚥下機能を4段階で評価する分類が標準的に用いられているとされています。
出典: VE検査 標準分類(兵頭スコア等)
保険適用
嚥下機能精密検査の保険算定
VEを含む嚥下機能精密検査は、診療報酬点数表上で保険算定の対象とされています。
出典: 厚生労働省 診療報酬点数表
※ 一般的な研究データであり、個別の効果や成功を保証するものではありません。効果には個人差があります。
CONTACT
VE検査・嚥下評価のご相談は、訪問専用ダイヤルへ。ケアマネジャー様・主治医様・施設職員様からのお問い合わせも承ります。