DIAGNOSIS & EXAMINATION
日本国内のSAS潜在患者は約300万人。簡易検査から精密検査、歯科の口腔内・気道評価まで、診断の流れをわかりやすくご案内します。
放置しないでください
大きないびき、睡眠中の呼吸停止、日中の強い眠気——これらは睡眠時無呼吸症候群(SAS)の典型的なサインです。SASは高血圧・心疾患・脳卒中のリスクを高めるだけでなく、日中の眠気による交通事故の原因にもなり得ます。
SASの確定診断は医科で行いますが、当院では歯科の立場から口腔内・気道の評価を加え、医科と連携して総合的に診断を進めます。早期発見が、その先の健康を守る第一歩です。
01 — INTERVIEW
いびきの頻度、日中の眠気、起床時の頭痛、ご家族からの指摘などをお伺いします。エプワース眠気尺度などの問診票も活用し、リスクを評価します。
02 — DENTAL EVALUATION
セファロ分析(側面頭部X線)で頭蓋・顎・気道の形態を評価。口腔内の診査で舌の大きさ・噛み合わせ・顎関節を確認し、口腔内装置(OA)の適応かを判断します。
03 — SLEEP TEST
ご自宅でできる「簡易検査(スクリーニング)」と、医療機関で一泊する「精密検査(PSG)」があります。SASの重症度を確定するため、医科の専門医による検査が不可欠です。
04 — TREATMENT PLAN
確定診断と歯科評価の結果を統合し、CPAP・口腔内装置(OA)・生活指導など、患者様にとって最適な治療法を医科と協議のうえ決定します。
SELF CHECK
1つでも当てはまる方は、お早めにご相談ください。
※ あくまで目安です。確定診断は医科の検査が必要です。当院では検査前後のご相談から、検査機関のご紹介・歯科治療への接続まで対応します。
SASの最大の難しさは、睡眠中に起きていることなので、本人には自覚しようがないという点にあります。いびきは家族に指摘されて初めて気づき、無呼吸は同室者がいなければ誰も把握できません。本人が体感できるのは「日中の眠気」「起床時の頭痛」といった結果だけです。
さらに紛らわしいのは、「日中眠い」「疲れが取れない」を年齢・忙しさ・睡眠時間の短さのせいと片づけてしまいやすいこと。健康診断でも血液検査では分からないため、何年もスルーされてしまうケースが少なくありません。
もう一つの落とし穴は、SASには「太った中年男性の病気」というイメージが根強いことです。実際には、痩せた女性・小柄な日本人の小顎症・閉経後の女性にも多く見られます。「自分は当てはまらないだろう」という先入観が早期発見を遅らせています。
自覚できないからこそ、
第三者の視点と
数値の検査が要る。
SASは「気合と根性」では治せない病気です。
10 POINT CHECK
3項目以上当てはまる方は、睡眠検査の受診をおすすめします。5項目以上ならSASの可能性が高めです。
※ あくまで目安です。チェック結果に関わらず、気になる方は受診をおすすめします。
01 — SCREENING
郵送で送られてくる小型機器を、ご自宅で就寝時に装着するだけ。鼻の気流・血中酸素飽和度・いびきの音などを記録し、AHI(無呼吸低呼吸指数)を推定します。所要時間は1〜2晩、保険適用で約3,000円。SASのスクリーニングとして最初のステップに最適です。
02 — PSG
医療機関に一泊し、脳波・眼球運動・筋電図・心電図・呼吸・酸素飽和度など20以上の項目を同時記録する精密検査。睡眠の質(深さ・無呼吸との連動)まで詳細に評価でき、SASの重症度と最適な治療法(CPAP / OA)を確定できます。保険適用で約2〜3万円。
FLOW
まず簡易検査でスクリーニング、
SASが疑われればPSGで確定診断——という二段階が標準です。
当院で検査機器を扱っているわけではありませんが、ご希望に応じて地域の睡眠外来・呼吸器内科をご紹介しています。
UNDERSTANDING AHI
SAS診断の中心となる指標が AHI(Apnea Hypopnea Index)——1時間あたりの無呼吸(10秒以上の呼吸停止)と低呼吸(呼吸量50%以下が10秒以上続く)の合計回数です。この数値が治療方針を決めます。
| AHI(回/時) | 重症度 | 標準的な治療方針 |
|---|---|---|
| 5未満 | 正常 | 経過観察・生活指導 |
| 5〜15 | 軽症 | OA・生活改善 |
| 15〜30 | 中等症 | OA / CPAP |
| 30以上 | 重症 | CPAPが第一選択 |
※ AHI 20以上で、かつ眠気などの症状があれば、CPAPが健康保険の適用となります。
※ 軽症〜中等症のSAS、またはCPAP不耐の方には、歯科の口腔内装置(OA)が選択肢となります。
FROM TEST TO TREATMENT
受診のご相談から治療開始まで、おおむね1〜2ヶ月。検査結果の重症度と希望する治療法によって、医科主導/歯科主導の進み方が変わります。
STEP 01
WEEK 1
歯科または医科を受診。問診票・セルフチェック・口腔内・気道評価を行い、検査の必要性を判断します。
STEP 02
WEEK 2〜3
機器を自宅へ郵送、就寝時に装着して測定。1〜2晩のデータを医科で解析し、AHIを推定します。
STEP 03
WEEK 4〜6
必要に応じて医療機関に一泊し精密検査。睡眠の質まで詳細に評価し、SASの重症度を確定します。
STEP 04
WEEK 6〜7
検査結果と生活スタイルを踏まえ、CPAP・OA・生活指導の組み合わせを医科歯科で協議のうえ決定します。
STEP 05
WEEK 8〜
OAは型取りから約2〜3週間で装着。1〜2ヶ月の微調整期間を経て効果を実感、その後は3〜6ヶ月ごとの定期検診に移行します。
EVIDENCE
SAS診断の基準値や検査精度について、国際的なガイドライン・学会報告で示されている数値を抜粋してご紹介します。
AHI 5以上
軽症SASの基準
1時間あたりの無呼吸・低呼吸の回数(AHI)が5以上で、かつ症状を伴う場合に軽症SASとされる、国際的な診断基準。
出典: 米国睡眠医学会 AASM Classification
AHI 30以上
重症SASの基準
1時間あたりのAHIが30以上で重症SASと分類され、CPAP療法が第一選択となる基準。心血管リスクが急増する境界とされます。
出典: 米国睡眠医学会 AASM Classification
約80%
簡易睡眠検査(パルスオキシメトリ)の感度
自宅で実施する簡易検査における、中等症以上のSASを検出する感度の代表値。スクリーニング目的では十分とされます。
出典: 睡眠医学誌
65〜90%
PSG(精密検査)の診断確度
医療機関で一泊して行うポリソムノグラフィー(PSG)の、SAS重症度判定における診断確度。SAS診断のゴールドスタンダードとされています。
出典: SAS診断ガイドライン
※ 一般的な研究データであり、個別の効果や成功を保証するものではありません。
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いびき・無呼吸の検査と診断は、専門家への相談が解決の第一歩。お電話・WEB予約からお気軽にどうぞ。