COMMUNITY INTEGRATED CARE
医療・介護・予防・住まい・生活支援が一体となって高齢期を支える「地域包括ケアシステム」。そのなかで歯科・口腔ケアはどのように位置づけられているのかを整理しました。
INTRODUCTION
住み慣れた地域で最期まで自分らしく暮らせるよう、医療・介護・予防・住まい・生活支援を一体的に提供する仕組みが「地域包括ケアシステム」です。高齢期の歯科・口腔ケアは、この仕組みの複数の場面で重要な役割を担っています。
本記事では、地域包括ケアの5つの構成要素ごとに、歯科がどこに関わるのかを整理しました。ケアマネジャー・看護師・介護職員・歯科職員・地域包括支援センター職員の方が共通の見取り図として活用いただける内容を意識しています。
監修
歯科医師 桐生 賢太
訪問歯科診療・高齢者歯科・口腔ケア・食支援に関する情報を監修
01 — MEDICAL
通院が難しい方に、ご自宅・施設・病院ベッドサイドで歯科診療を提供します。むし歯・歯周病の治療、義歯の調整・新製、口腔機能評価などが含まれます。医科の訪問診療と連携し、お薬の調整や全身疾患を踏まえた処置判断を行います。
02 — CARE
介護保険サービスとして、歯科医師・歯科衛生士による居宅療養管理指導、通所サービスでの口腔機能向上加算、施設での口腔衛生管理体制加算などが位置づけられています。ケアマネジャーのケアプランに組み込んで提供します。
03 — PREVENTION
口腔機能の低下(オーラルフレイル)は、要介護状態に至る経過の早期に現れることが報告されています。地域の介護予防教室、通いの場での口腔体操、定期的な歯科健診——フレイル進行を遅らせる取り組みは、地域包括ケアの予防の柱です。
04 — HOUSING
ご自宅でも施設でも、口腔ケアを継続できる環境づくりが基盤です。福祉用具・自助具の活用、洗面所のバリアフリー化、ベッド周りの口腔ケア用品の配置。住まいの工夫が、毎日の口腔ケアの継続を支えます。
05 — LIFE SUPPORT
ご家族、近隣のヘルパー、民生委員、ボランティアなど、生活を支える方々の関わりも口腔ケアの継続に大きく影響します。地域での口腔ケア教室、自治体の歯科健診事業、口腔ケアサポーター養成など、地域全体で支える仕組みが少しずつ広がりつつあります。
COLLABORATION IN ACTION
地域包括ケアでは、各専門職が役割を持ち寄って利用者さんを支えます。歯科が関わる代表的な4つの連携場面を取り上げます。
ケアマネジャーを中心に、医科・歯科・看護・介護・栄養・リハビリ職が集まる会議。口腔の課題は栄養・嚥下・誤嚥性肺炎リスクと密接に関わるため、歯科の視点が求められます。
入院から在宅に戻る際の引き継ぎ会議。口腔の状態、義歯の有無、食事形態、口腔ケア体制を共有しておくことで、在宅でのスタートがスムーズになります。
介護予防のフェーズで、地域住民への口腔ケア啓発、フレイル予防教室、歯科健診の案内などで関わります。地域全体の口腔ケアの底上げにつながる連携です。
管理栄養士・言語聴覚士との連携で、咀嚼能力に合った食事形態、嚥下機能に合った食事内容を検討します。歯科の口腔機能評価が、栄養計画の質を高める材料になります。
本記事は、地域包括ケアシステムにおける歯科の役割に関する一般的な情報提供を目的としています。制度の詳細・地域の体制は自治体や年度により異なります。詳細は地域包括支援センター・保険者にご確認ください。
CONTACT
「地域の口腔ケア教室を企画したい」「サービス担当者会議に歯科を呼びたい」など、地域連携の場面でのご相談もお電話でどうぞ。