つむぎ歯科クリニックTSUMUGI DENTAL CLINIC
歯ぎしり・食いしばりと歯への影響

BRUXISM

無意識に、
歯を削っていませんか。

就寝中の歯ぎしり、日中の食いしばり——本人も気づきにくいこの「噛む力」が、長い時間をかけて歯と顎を傷めていきます。原因と対策を、丁寧に解説します。

気づきにくい、口の中の力仕事

「ブラキシズム」という、
静かな破壊。

就寝中の歯ぎしり、日中の食いしばり——歯科では、これらの無意識の噛みしめ行動を総称して「ブラキシズム」と呼びます。本人にも自覚がないことが多く、ご家族から「夜中ギシギシうるさい」と指摘されて初めて気づかれる方も少なくありません。

普段の噛む力は約 10〜20kg ですが、ブラキシズムでは体重以上の力(50〜100kg)が歯にかかります。これが毎晩、毎日、何時間も続けば——歯はすり減り、ヒビが入り、歯ぐきは下がり、被せ物は欠けていきます。

このコラムでは、ブラキシズムの原因、歯と全身への影響、そして当院での治療(ナイトガード・噛み合わせ調整・行動療法)について、わかりやすくお届けします。

COLUMN INDEX

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なぜ歯ぎしりが、
起こるのか。

歯ぎしりの原因は、一つではありません。最大の要因はストレスと自律神経のバランス。日中のストレスが脳に蓄積され、睡眠中に咬筋の異常な活動として現れる——これが「夜間睡眠時ブラキシズム」のメカニズムとして広く認められています。

もう一つの要因は噛み合わせの不調和。被せ物の高さがほんのわずかに合わないだけで、脳がそれを「異物」として感じ取り、夜間に強い噛みしめでバランスを取ろうとします。歯科治療後に「歯ぎしりが増えた」と感じる方は、噛み合わせの再確認をご検討ください。

さらに、カフェイン・アルコール・喫煙・睡眠不足など、生活習慣も大きく関わります。最近では、スマートフォンを長時間下を向いて使うことによる「日中の食いしばり」も増えています。

「無意識の習癖」が、
「長期の代償」を生む
——気づくことが、対策の第一歩です。
  1. 01 — WEAR

    歯のすり減り・破折

    エナメル質がすり減り、奥歯が平らになっていきます。象牙質が露出すると知覚過敏に。さらに進むと歯にヒビが入り、ある日突然「割れる」リスクが高まります。

  2. 02 — CROWN

    補綴物の寿命短縮

    セラミック・インプラント・ブリッジは、ブラキシズム下では本来の寿命を全うできません。せっかくの自由診療の補綴物が、数年で欠ける・外れるケースも。治療後のナイトガード装着は、長期投資の保護策です。

  3. 03 — PERIODONTAL

    歯ぐき・顎の骨へのダメージ

    過剰な力は歯周組織を傷めます。歯周病があると、進行を加速させる因子に。歯ぐきが下がり「歯が長く見える」変化や、顎の骨の隆起(骨隆起)も、ブラキシズムのサインの一つです。

  4. 04 — WHOLE BODY

    顎関節症・頭痛・肩こり

    咬筋の過緊張は、顎関節症(口が開きにくい・カクカク鳴る)に直結。さらに緊張型頭痛・首肩こり・耳の不快感も、ブラキシズムが原因のケースが多くあります。

SELF CHECK

いくつ、
当てはまりますか?

ご自身の歯ぎしり・食いしばりの可能性を、簡単にチェックできるリストです。3つ以上当てはまれば、一度歯科でのご相談をおすすめします。

  1. 朝起きたとき、顎が疲れている

    就寝中に長時間噛みしめた結果、咬筋(頬の筋肉)が疲労しています。朝、顎が重い・口が開きにくいのは典型的なサイン。

  2. 家族に歯ぎしりを指摘されたことがある

    自覚しにくい就寝中のブラキシズムは、ご家族からの指摘が貴重な情報です。本人が「やってないと思う」と感じる方ほど、長時間続いている傾向があります。

  3. 奥歯が平らに、前歯の先端がギザギザに

    咬合面の摩耗、前歯の切端のすり減りは、ブラキシズムの典型的な所見。歯科でのデジタル写真記録で、経年変化が客観的にわかります。

  4. 頬の内側に白い線(咬合線)がある

    頬の内側の歯と歯の噛み合わせの高さに、白っぽい線がある場合、日中の食いしばりが疑われます。鏡で確認できます。

  5. 緊張型の頭痛・肩こりが続く

    原因不明の頭痛・肩こりが、ブラキシズムから来ていることは少なくありません。咬筋の緊張をほぐすと改善するケースが多くあります。

  1. 01 — ナイトガード(就寝時マウスピース)

    就寝中に上の歯に装着する、保護用マウスピース。歯のすり減りと顎関節への負担を大幅に軽減します。保険適用、3〜5,000円程度(3割負担)でお作りできます。

  2. 02 — 噛み合わせ調整

    既存の被せ物・詰め物の高さや咬合バランスを調整します。ほんのわずかな干渉を取り除くことで、夜間の噛みしめが改善することも少なくありません。

  3. 03 — 日中の行動療法

    「歯と歯を離す」習慣の意識化、姿勢の改善、デスクワーク中のリマインダー設定など、日中の食いしばりを減らす行動療法をご提案します。

  4. 04 — 定期的なモニタリング

    咬合面の写真をデジタル記録し、3〜6か月ごとに比較。すり減りの進行を客観的に把握し、必要に応じてナイトガードの調整・買い替えを行います。

FAQ

よくあるご質問

  1. Q. ナイトガードは保険適用ですか?

    はい、保険適用です。3割負担の方で3,000〜5,000円程度。型取りから装着まで2回の通院でお作りできます。

  2. Q. ナイトガードは何年使えますか?

    噛む力の強さによりますが、平均2〜3年で消耗します。すり減って薄くなったり穴が開いたら作り替えのサイン。当院では定期検診時に状態を確認します。

  3. Q. 市販のマウスピースでも代用できますか?

    市販品は厚みや形状が標準化されており、噛み合わせが合わないことが多く、かえって顎関節を傷めるリスクがあります。歯科で型取りしたオーダーメイドをおすすめします。

  4. Q. お子様の歯ぎしりも心配です

    乳幼児期の歯ぎしりは、噛み合わせの調整のための生理的なものが多く、過度な心配は不要です。永久歯が生えそろう中学生以降も続く場合は、一度ご相談ください。

  5. Q. ボツリヌス治療(咬筋ボトックス)はやっていますか?

    当院では現時点で実施しておりません。ナイトガード・噛み合わせ調整・行動療法で改善が見られない場合は、専門医療機関へのご紹介を検討します。

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